農政が日本の農業の国際競争力を強化するために推進した営農規模の拡大は、どれほどの成果をあげたか。
1970年の農家一戸当たりの農用地面積は11・6ヘクタールに拡大した。
これを大きな成果と見るか、小さな成果と見るかは立場によって別れるが、少なくとも国際競争力の強化策として見れば、小さな成果である。
農水省が自給率向上のモデル国家として参考にしている英国では、規模拡大政策により農家一戸当たりの農用地面積は七〇ヘクタールである。
およそ日本の四〇倍強である。
20年かけて1ヘクタールから1・6ヘクタールにしか拡大できなかったのだから、70ヘクタールにまで拡大することは不可能である。