当然のことながら、大きな被害があったわけで、事態の深刻さを認識した政府は、この翌年から、全国規模で病害虫の発生予察の事業をスタートさせたという。
ところで、このウンカの生理、生態は、まだよく解明されていない。
だいたい、その一生がどういうものか、ということでさえも長い間ナゾに包まれていた。
1967年に、潮岬南方500kmの沖にいた気象庁の観測船が、海上を小さい虫が飛んでいるのを発見した。
「何だろう」ということで採取して持ち返り、昆虫学者にみせたら、何とこれが、ウンカだったのである。
この、全くの偶然を端緒として、中国大陸で発生したウンカが、数千km。
もの大飛行で海を渡って日本までやってくることが判った。
残留農薬検査