新しい化合物といっても、たとえば、エチル基をどこに付けるかを変えるだけでも、また別な化合物になる。
そういう場合の数え方は、人によってまちまちのようだが、一般的には、優秀な研究者で1週間に1つか2つの新規化合物を合成するどいわれている。
全く独創的に考えて作られたもの、既存の農薬と類似の構造をもつもの、医薬品など他の用途に合成されたものや、その類縁化合物などの新規化合物のほか、天然の生理活性物質も、農薬の候補化合物となるし、天然物をヒントにその類縁化合物を合成して候補化合物にすることも多い。
現在、カーバメート系、有機リン系とならび、殺虫剤の三大派閥を形成している合成ピレスロイドは、もともとは、除虫菊の成分であるピレトリンという物質を合成して、実用化したのがルーツだ。
その類似化合物(つまり親戚)が十数種類ほど開発され使われている。