農薬の浸透移行性が強いということは、散布した時にムラがあっても、植物体にくまなく成分がゆきわたるし、土壌処理剤にしても、根から茎葉部分に届くということだ。
「これはいける」ということで、各種の誘導体を含めて、類縁化合物を200以上も作り、その年のうちには特許対応も終えた。
ところが、製剤開発がなかなかうまく進まない。
当初は粉剤を狙ったが、効果がいまひとつ不安定であったのと、ようやく酸性白土を使って製剤化にこぎつけた粉剤が、自社の主力殺虫剤である「スミチオン」と混合できないということになった。
そのころはまだ少なかったマイクロカプセル化なども検討したり、結局、78年から81年あたりまで足踏み状態が続いた。