「曲がらないきゅうりを作るために、農薬を使っているという話を聞きますが」と聞いてみたら、ひと呼吸置いて笑われた。
「曲った方がいいっちゅうなら、いぐらでも売ってやる。(曲がるのは)肥培管理をうまくやらないからだ。水分をまちがったのと窒素が不足しているせいだ。ちゃんと手かければ、きゅうりは曲がらねエ。まあふつうはA級(まっすぐ)とB級(曲がっている)では味はそんなに変わんないけど」
いずれにせよ、十分に手をかければ、手をかけただけ、きゅうりはたくさん、いいものがとれるそうだ。
もうひとつ、○○さんが強調したことがある。
農薬のために、カエルやどじょうがいなくなったという話についてだ。
「(農薬が)全然関係ないことはないかもしれないけど、洗剤やら何やら、生活排水の方がよっぽど悪さをしているはずだ。農薬使わねば、虫喰いだらけで売れる物は出せない」
○○さんもまた、後継者難にあえぐ最近の農業の実情を強く危惧している。
「ハウスやら、機械やらの資材費に金かけて、(投資分を回収していないめ)やめたくてもやめらんない人も多いんだ」